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多摩川競艇の煮込み定食について語りたい

多摩川競艇の煮込み定食について語りたい。

今後このブログでは基本博打場飯について語ろうと思いますが
その前に自分が過去1番美味しかった
博打場飯について触れたいと思います。

いきなりですが自分は生まれも育ちも東京の多摩です。
そして父親はある意味自分以上の博打屑で
自分が学生の頃は週1,2日だけ働いて
残りの日は公営ギャンブル場に出入りするような人でした。
(そのうち全く働かなくなりましたがw)
そんな父親が普段通っていた博打場が
立川、京王閣競輪と多摩川競艇。
友達と遊ぶより博打場に行くのが好きだった自分は
週末や長期休暇に入ると毎日父親と一緒に
競輪場、競艇場に行く生活をしていました。

正直博打としては当時から競艇より競輪に惹かれていましたが
小中学生の自分は多摩川競艇に行くのは本当に楽しみでした。
何故なら当時の多摩川は本当に博打場飯が充実していたんですよね。
焼きでは無く茹でたのを売っていたフランクフルト。
ソフトクリームやかき氷。
たこ焼き、お好み焼き。
父親が舟券を当てるとご馳走してくれるので
特に小学生時代は食べ物目当てで行ってた部分があります。
そしてそれ以上に大好きだったのが
第一、第二食堂で食べられる煮込み定食でした。

昔の多摩川の食堂は場所的には今と同じでしたがもっと殺風景。
長テーブルにパイプ椅子(だったかな?)が並んでいて
入口脇にある食券売り場で食券を買って
提供するコーナーに持って行って料理を受け取る
一昔前の社員食堂のイメージですね。

自分が良く食べていたのはラーメン、カツ丼、そして煮込み定食。
当時から名物の牛炊はありましたが
自分的には全くそそられず(笑)大人になるまで食べた事が無かったです。
今の自分のラーメンにニンニク原理主義は
多摩川競艇のラーメンが原点なので
これについても機会があれば語りたいですが
今回は煮込み定食について。

多摩川競艇の煮込みは本当にシンプルで
入っているの具材は基本もつとコンニャクのみ。
それを無造作にプラスチックの皿に盛ってくれて
同様にプラスチックの丼に入った飯と共に渡してくれます。
面白いのが第一と第二食堂の煮込みの味付けは一緒なのですが
片方で大根、もう片方で豆腐がトッピングされていた事。
理由は謎ですが一応差別化したかったんでしょうね。

自分はトッピング的には味の沁みた大根の方が好みでした。
父親も自分に影響されたのかかなりの頻度で
煮込み定食を頼んで食べていましたが
必ず大根の方に連れて行っていたので
同様に大根が好みだったと思います。

さて自分が何故ここまで
多摩川のもつ煮込みを愛したかというと
醤油ベースだったのですが
とにかく味付けが濃くて油が多め。
まさに飯のおかずの為にあるような味付けだったんですよね。
元々白米を死ぬ程愛していた自分。
ここのもつ煮込みはご飯をとことん美味しく食べられますから
そりゃこのもつ煮込みにハマるのも当然です。
軽くもつとコンニャクを口に放り込んで
その後一気に白米を詰め込んで食べる。
まさに至福の時でしたね。

ちなみ残念ながら今その煮込み定食を食べる事は出来ません。
第一、第二食堂がリニューアルして洒落た食堂になった際
メニューから外されてそれ以降見る事は出来なくなりました。
今も食堂に煮込み定食はありますが
それは自分が愛する煮込みとは全く別物です。

実は多摩川競艇の煮込み定食が無くなって以降も
しばらくは西武園競輪の食堂で
ベースが同じ味のもつ煮込み定食が食べる事が出来たのですが
(恐らく経営母体が一緒だったんでしょうね)
その食堂が閉鎖されて以降完全に口に出来なくなりました。

それ以降数々の博打場、居酒屋で沢山のもつ煮込みを食べてきましたが
どこも特色があって最高に美味しいのですが
どうしても多摩川競艇の煮込みを思い出す事があります。

これってやっぱり父親との沢山の思い出が詰まった味だからなのかな。
思い出自体は糞みたいな事の方が圧倒的多いですが。(笑)
幸せな舌の記憶を大切にしていきたいと思います。

Posted by 政春

大久保を寝床にしているホームレスの負け犬車券師。競輪との出会いは母親の腹の中。幼稚園、小学校時代は競輪場が休日の遊び場。中学生で競輪の面白さに取り憑かれてから人生まで賭けちゃった馬鹿。いろんな物失ってるけど結構楽しいです。アイドルやアニメのキモオタ。新宿租界で競輪の予想師をやらせて頂いてます。

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