真夏のイン戦

昨日租界の雑談での質問で
『夜分遅くすいません。暑くなって、インが飛ぶ場面がよく見られるのですが、夏場はインが比較的弱いのでしょうか?』
このような質問がありました。
凄く良い質問ですね。
競艇はいろんな要素で結果が変化します
分かりやすいのは風向きです
向かい風と追い風で顕著に傾向が変わります
場によっては水面の水の流れが影響することもありますし
海の場では一日の中で干満差があったりしますし
びわこは春に比叡山の雪解け水が流れ込んで水位が上がります
こういった旋回や戦法に影響が出る状況以外に
冒頭に書いた気温の変化や湿度の変化がありますが
これはエンジンの出力に影響が出ます
簡単に書くと気温が上がると1㎤当たりの酸素の量が減ります
充填効率の違いでエンジンの燃焼効率に差が出るため
0度の時と30度の時で約12%のパワー差が生まれると言われています
31馬力を6600回転で生み出すと言われてますが
0度の時だと理論上は34馬力位出ることになります
この最大回転数というところがミソで競艇のエンジンには変速機がついていません
スローから最高速まで同じギアで走ってる状態になります
なので選手は最高速がストレートで売り切れないように調整しながら
それでいて手前の脚も来るように自身の戦法に合わせてバランスを取りながら
チルトやプロペラでセッティングを出します
インコースから走る時は小回り防止ブイあたりから起こしてギリギリ1Mまでに最高速に届くくらい
100M起こしや80M起こしを普通のセッティングだと1Mまでに最高速に届きません
それぐらいギリギリなのでインは他のコースに比べて
起こしてからスリットラインまで調整する余裕がありません
ですからサバを読んで早めに起こすことも出来ません
起こしからほぼ全開で突っ込まないとスリットラインまでに回転が全く上がりきらず
スタートが同体でも外に叩かれてしまいます
これが気温が上がったり湿度が上がるとエンジンのトルクがなくなり
より一層シビアなタイミングで起こさないと届かないスタートになってしまいます
一見タイミングは同体でもスピードに乗り切れていないと②や③が伸びてきて捲られてしまいます
そのような状況の時は1号艇は外へ張らずにターンマーク目指してまっすぐ走ります
マイシロはもちろんありませんからターンマークを外さず回っても思いっきり差されます
叩かれてしまうよりはマシなんでともかく先マイだけはって状況ですね
インが効かない日にはよくあります
1Rから捲られまくってやっと先マイしたと思っても差されて負ける
インが比較的強い住之江でも夏場の早い時間帯はあったりします
インが強い競艇ですが実はインで勝つのは大変な事なんです
一般戦ではインが惨敗するケースが沢山ありますが記念ではほぼ無いですよね?
あれって実はすごい技術なんですよ。
競艇場はそれでもインが勝ち過ぎないように1Mをスタンド側に振って
インが斜めに走らないといけないようにしています
それでなくても競艇はかなり内側の選手が外に張ってるんですけど
ターンマークを振ることでもっと斜めに走らせています
この構造は理解しておいてほしいのですが捲りって外から一気に行ってる感じに見えますが
外に張りたい内側艇をST踏み込んだ外が張らせていないって側面もあります
なので捲りが決まる場と不思議なくらい決まらない場があります
今日から〜まくってちょーうだい!!〜が始まったボートレース尼崎は
別名センタープールと呼ばれてますが名前に騙されないようにしてください
ここは捲りが効きません
センタープールはそう意味ではないと思いますがセンターにターンマークが一直線に並んでます
1Mの振りが全くありません
ですからセンターが多少覗いても捲って行く最中に内に引っかかって捲りは不発に終わります
〜まくってちょーうだい!!〜と商品を付けても初日は捲りが0本でした
明日以降もその傾向は続くと思います気を付けてください